歳月を超え、
未来に託された
〈ことば〉がここにある。
ベルリンの壁崩壊、湾岸戦争、バブル経済の崩壊、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件……。
世界、国内が揺れ動いた平成元(1989)年から10年の間に、立正佼成会開祖・庭野日敬が説き示したのは、人間一人ひとりの〈真の幸福〉と〈苦悩と向き合う心〉そして〈世界平和への道〉だった。機関誌における著者最晩年の法話を完全収録した全3巻がいよいよ完結。
本書の主題は『法華経』「如来寿量品」で説かれている、いついかなる時も、どんな場所でも仏さまは衆生のために法を説き続けているとする「常住此説法」から。苦しいときも、悲しいときも、法華経に説かれるごとく、素直な心でよく学び、実践すれば、仏さまに見守られている私たちは、必ず心の平安を得ることができると、繰り返しやさしい言葉で伝える一冊。
書名は、常不軽という名の菩薩さまが、どんな人に対しても「私はあなたを軽んじません」と両手を合わせて拝んだという、『法華経』「常不軽菩薩品」にある一節からとったもの。すべての人にそなわっている「仏性」(仏になれる性質)を、私たちがお互いに拝み合って、他者の仏性を開かせ、自己の仏性を磨き出すことで、この「四苦八苦」の人生を共に助け合いながら明るく歩むことができると語る。
書名は、仏さまはすべての人に菩提心(仏さまの境地に近づきたいと願う心)の芽を起こさせてくださるという、『無量義経』「徳行品」にある一節より。私たち一人ひとりが菩提心に目覚めて、菩薩としての道を歩んでいくことの大切さとともに、競争や争いの絶えない現代社会の中で、「人さまを幸せにしたい」と願い実践する生き方の中にこそ、真の幸福があることをやさしく説き示す。