追悼 宗教評論家 ひろさちや

追悼 宗教評論家 ひろさちやさん

宗教評論家・仏教思想家のひろさちやさんが、2022年4月7日に逝去されました。
謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。
ひろさんは著作を通して、仏教の教義だけでなく“仏教者らしい生き方”とはどういう生き方なのかを教えてくださいました。ほとけさまの教えに基づいて、わたしたちがのんびり、ゆったり、ほどほどに今を生きることが、ひろさんへの報恩になると思う次第です。

【略歴】

ひろさちや

ひろ さちや

宗教評論家、仏教思想家。1936年(昭和11年)、大阪市に生まれる。東京大学文学部印度哲学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科印度哲学専攻博士課程修了。東大では中村元(1912-1999)氏のもとで、近現代インドにおける「植民地解放の哲学」を研究する。
博士課程修了後、1965年から1985まで気象大学校教授をつとめる。

同校退職後、「宗教文化研究所」を設立して評論活動を開始。仏教をはじめとする宗教の解説書から、仏教的な生き方を綴るエッセイまで幅広く執筆するとともに、全国各地で講演活動を行う。また、宗派を超えた仏教徒の会「まんだらの会」を主宰し、勉強会やインド仏跡巡礼などを開催する。

著作は600冊を超え、厖大かつ多様で難解な仏教の教えを、逆説やユーモアを駆使して表現する筆致は、年齢・性別を超えて好評を博している。自ら「仏教原理主義者」(仏教の原理原則を尊重する者の意)と称し、仏教の「ご都合主義」(仏教の原理原則を自分の都合の良いように解釈すること)を戒めている。

なお、ペンネームの「ひろさちや」は、ギリシャ語の「フィロ=愛する」とサンスクリット語の「サティヤ=真理」を合わせた造語で、「真理を愛する」の意味。
2022年4月7日、逝去。享年85。

小社では1986年刊『見すごしの論理』以来、ひろさんの著作を計29点(共著書を含む)刊行させて頂きました。そのうち、23点が刊行中です。(2022年4月当時)

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